MC Shan (ニューヨーク)


MC Shan (Shawn Moltke) はニューヨーク、クイーンズのラッパー。
80年代にMarley Marlらと伝説のクルー、Juice Crewで活躍しました。



MC Shan - The Bridge (1986)
この曲の「すべてはここクイーンズから始まった」と言うリリックを聴いて
デマを言うなとサウスブロンクスのラッパー、KRS-Oneが反論。
このビーフがもりあがり「Bridge Battle」と呼ばれる論戦になりました。

"しかしこの論戦は、すぐに終結することになった。
ブギ・ダウン・プロダクションズのアルバム第2弾の発表前に、
スコット・ラ・ロックが死去したためである。"
(Wikipedia - ブギ・ダウン・プロダクションズ)


KRS-Oneの所属するBoogie Down Productionsの2nd発売は88年。
Kool Rock SteadyがKRS-Oneに反論したのはその1年後。
もしかして、このビーフを見て「俺もやってみたい」と思ったんじゃ?

MC Shanのアルバムはファースト(87年)、セカンド(88年)とも
Marley Marlの全面プロデュースでヒットしました。
しかしこのバトルが落ち着いてセルフプロデュースで出した
3rdアルバムはポップすぎ、ヒップホップファンから評判が悪かったそうです。

それもそのはず、このアルバムはヒップハウスだったのでした。
当ブログではこの3rdを中心に取り上げます。



MC Shan - Ain't It Good to You (1990)
Inner City - Big Fun (1988)調ヒップハウス。
リズムはキックの弱いTodd Terryの感じですね。



MC Shan ‎– It Ain't A Hip Hop Record (1990)
「ヒップホップのレコードじゃない」という曲。
叩かれる前に言っておこうという作戦でしょうか。



MC Shan - Clap Your Hands (1990)
M&Mという謎の女性コンビによるラップ。
808+303でギターも入るポップアシッドのいい曲です。



MC Shan - Music You Can Dance To (1990)
何となくM/A/R/R/S (1987) っぽい。
シカゴの影響はあんまりないみたいですね。



Mc Shan and KRS-One Sprite Commercial
Bridge Battleの正式な手打ちは1995年までかかったそうです。
仲良くスプライトのCMに出ています。

※探求Hip Hop http://koolg.blog57.fc2.com/blog-entry-65.html
※HIP HOP FLAVA http://hiphopflava.net/article_beef_01.php
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Kool Rock Steady (シカゴ)

Kool.jpg
Kool Rock Steady (Edward Rudolph) はシカゴのラッパー。
Afrika BambaataaのいとこでFast EddieやTyreeの友人です。


Kool Rock Steady - I'll Make You Dance (1988) 0:19
Lydell Townsellプロデュースのアシッドハウス。
抑え目でベースとして使った303にラップがはまります。



Tyree Ft. Kool Rock Steady ‎– Turn Up The Bass (1988) 0:18
シカゴのヒップハウスはUKでもヒットしTop of The Popsに出演しました。
あてぶりのDJに口パクのラップで全体的になんか適当!

この2曲もそうなんですけど
彼はラップで「俺の名前はKool Rock Steady」と入れがちです。
どのぐらい言っているかディスコグラフィーから検証してみましょう。

Kool Rock Steady - Aint We Funky Now 0:21
Kool Rock Steady - Lets Get Hyped 0:33
Kool Rock Steady & Sundance - Ain't No Stoppin' Hip House (1990) 0:51
Kool Rock Steady - Knock You Out The Box (1990) 0:37

タイムは言っている部分です。
たいてい冒頭、1分以内ですね。



Kool Rock Steady - You Ain't Nobody (1989) 0:36
そんなラップを見たKRS-Oneはシカゴのローカルラジオで
「ヒップハウスはクソ、特にKool Rock Steadyのラップは内容が薄い」
と非難しました。

怒った彼はすぐさま反論のヒップハウスを作成。
「KRS-One?しょうもない奴だよ。
あいつはヒップハウスが嫌いらしいけど、良さがわからないんだな。
俺はLet's Get Hypedでそういう固定観念から抜け出したぜ。」 

これに対して、KRS-Oneからの怒りはありませんでした。
のちのインタビューで"Peace to Kool Rock"と答えたそうです。
おそらくは彼のいとこがバンバータだったからではないでしょうか。

そもそも最後の方に入ってる語りで
「ヒップハウスとヒップホップは別物なんだ!」
と答えて、何度も何度もピース、両手でピース!
というシーンがあるのでそんなにディスって訳でもないような。


sucka.jpg

Joe Lewis ‎– You're A Sucka Kool Rock (年代不明)
べテランの癇に障ったのでしょうか。
1983年にJunior Vasquezとエレクトロをリリースしていた
Kid Niceがディス曲を作成。シカゴのJoe Lewisプロデュース。
おまえはSucka(未熟者)というタイトルで、サビのフレーズは
「Kool Rockはクソ野郎」というサンプル。
YouTubeにあがってる私のMixで聴けます。(12:25~)



Kool Rock Steady ‎– Back By Popular Demand (1992) 0:30
「俺はレペゼンNY, No Sucker, No.1!」と返しています。
Bad Boy BillプロデュースでRalphi Rosarioのレーベルよりリリース。
中盤にYo! MTV Rapsにはわかるまいとも言っています。



Reality - Yolanda (1993) 2:23
NYのレーベルからは翌年Bad Boy Billと売れ線ハウスをリリースしました。

その後はヒップハウスブーム終焉とともにリリースがなくなり、
1995年にレジェンド好きTo Kool Chrisがリリースする程度でした。

1996年 彼はエイズで亡くなります。
R.I.P. Kool Rock Steady

Bad Boy Bill - B96 1996-08-10 (Kool Rock Steady Tribute) by Oldschool on Mixcloud


※SPIN 1989年12月号 https://books.google.co.jp/books?id=msdh3F68Q44C
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