Mr.Lee (シカゴ)


Mr.Leeはシカゴのラッパー/プロデューサー。18歳よりDJと曲作りを開始。
TRAXのオーナー、Vince Lawrenceの父がやっていた初期シカゴハウスの
レーベル、Mitchbal Recordsからデビューします。


Risque Rythum Team - Risque Rythum (1986)
いとこのK.Alexiとのヒップハウス。
いい曲なのですが、セールスはあまり伸びませんでした。
その後、TRAXレコードで徐々にヒットし始めます。


House This House (1987)
クラブ映え抜群のアシッドハウス。全部の音が素晴らしい。
自分で歌い始めましたが、まだラップではありません。
そこそこ売れてきたので、彼は名案を思いつきました。
「地名入れて曲作ったら、世界で売れるんじゃないか?」


Pump Up The NewYork (1988)
Pump Up Chicago, NewYork, Londonの3曲入り。
歌詞も州の名前を叫んでいて、ローカルウケを狙う
まいどおおきに食堂みたいなスタイルで勝負に出ます。

結果は大ウケ、このシングルは狙い通りドイツとUKから発売され
彼はメジャーのJiveと契約することになりました。
いよいよここからヒップハウス期に入ります。


Get Busy (1989)
同時期のシカゴ勢と比べるとPOPでわかりやすいラップ。
「俺はラッパー、君はダンサー、手を叩こう足動かそう」
という脱力ラップでみんなから愛されました。

このシングルのヒットのあと、立て続けにヒットを生み出し
それらを収めたファーストアルバムは100万枚を超える売り上げを記録。
当時のビルボードチャートを見てみましょう。

Billboard Dance/Club Chart - Week of November 25, 1989

1. Technotronic - Pump Up The Jam
2. Fast Eddie - Git On Up
3. Mr.Lee - Get Busy
4. Thompson Twins - Sugar Daddy
5. Bardeux - I Love The Bass
6. Grace Jones - Love On Top Of Love (Killer Kiss)
7. The B-52s - Love Shack
8. Janet Jackson - Rhythm Nation
9. The 2 Live Crew - Me So Horny
10.Heavy D - Somebody For Me
1~3位が全部ヒップハウスで、ジャネットジャクソンより
Mr.Leeの方が売れているなんて、尋常じゃないですね。



Mr Lee & Kompany - Jackmaster (1987)
2012年に売れない時代の音源が発掘されCD化されました。
何でレコード化されなかったのかわからないかっこよさです。
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Paris / Powerful Juvenile

貧しい黒人が居住するゲットーを警官から自衛するために結成され
革命による黒人解放を提唱。(中略)1960年代後半から1970年代にかけて
アメリカで黒人民族主義運動・黒人解放闘争を展開していた
急進的な政治組織=Black Panther Partyの思想に傾向したラッパー。

("ブラックパンサー党とPARIS"より)


Paris - Wretched (1991)
れいかんやまかんとんちんかんも使ってたParisは
強いメッセージ性がある西海岸のラッパー。


Paris - Panther Power (1991)
低音の効いた早めブレイクビーツにラップする1stは
ヒップハウスとも相性がいい感じです。

シカゴで曲を作っていた人たちも、彼の影響をうけ
ブレイクビーツを取り入れました。


Powerful Juvenile & DJ Adam 12 ‎– This Stuff Is Dope (1992)
1990年にDanceMania31番でデビュー、90年代にIHRやUCで活躍する
シカゴのRicky "Get Down" Garciaがプロデュース。ラッパーの声も
ハードな曲調もParisからの影響が感じられます。


4XSample ‎– Once Again "Back" (1992)
シカゴのDJ Hyperactiveがプロデュースに参加、
Dance ManiaでおなじみM.J.R.がマスタリングを担当。
この曲ではないですがParisをサンプリングしている曲もあります。

いつもの「楽しいよ~」なヒップハウスではないですが
こういうハードコアな時期のシカゴもかっこいいですね。

D.J.International (シカゴ)

ヒップハウス最重要レーベルといえば、シカゴのD.J.Internationalです。
Fast EddieにTyree、Kool Rock Steadyなどスターを数多く輩出しました。
今回は、Discogsのレーベルカタログからヒップハウスを総ざらい。
興味のある方は、ぜひ聴いてみてください。

1985

J.M. Silk ‎– Music Is The Key
Steve Silk Hurleyによる名曲。初リリースからラップのパートがあるんですね。
このラップは94年、プリンスの曲で引用されています。(Twitterより)

1986
White Knight ‎– Never Give Up YouTube
Mario Reyes ‎– What Ever Turns You On YouTube

1988
Sterling Void ‎– Boogie Oogie Oogie YouTube
※YouTubeにあがってないB面にヒップハウスバージョン有り。

Fast Eddie ‎– Yo Yo Get Funky

Tyree Featuring Kool Rock Steady ‎– Turn Up The Bass
Tyree ‎– Hard Core Hip House YouTube
Julian "Jumpin" Perez Ft. Kool Rock Steady ‎– Ain't We Funky Now YouTube

Fast Eddie ‎– Hip House

Tyree ‎– Acid Over
シングル盤のみのボコーダーラップ+哀愁シンセがたまりません。

1989
Tyree ‎– House Music Is My Life YouTube
Kool Rock Steady ‎– Let's Get Hyped YouTube

Fast Eddie Featuring Sundance - Git On Up
Tyree Featuring J.M.D. ‎– Move Your Body YouTube
Julian "Jumpin" Perez Featuring Brother D ‎– Let's Work YouTube
Kool Rock Steady ‎– You Ain't Nobody YouTube
K.A. Posse - Dig This YouTube

1990
Tyree ‎– Lonely (No More) YouTube
Mix Masters Featuring MC Action ‎– In The Mix YouTube
J.M.D. ‎– Get Up And Dance YouTube
Fresh Force ‎– Who Runs This Mutha YouTube

Fast Eddie ‎– Let's Do This
Kool Rock Steady ‎– Knock You Out Da Box YouTube
K.A. Posse ‎– Shake YouTube
Tyree ‎– Hip House Is The Style YouTube

Fast Eddie ‎– Make Some Noise
Frankie "Hollywood" Rodriguez Ft. M.C.D. – Work On Me YouTube
Mix Masters Featuring Andrea ‎– How Low Can U Touch Me Youtube
Tyree ‎– Let The Music Take Control YouTube

Fast Eddie ‎– Most Wanted

Kool Rock Steady & Sundance - Ain't No Stoppin' Hip House
ディスコの名曲をカバー。シカゴはこういう直球カバーも多いです。

1991
2 Young Brothers ‎– C'mon N Shake Yer Butts YouTube
Tyree ‎– Rock The Discotech YouTube
Fast Eddie ‎– Watch Me Git Funky YouTube
T.B.C. ‎– The Way You Move YouTube
2 Young Brothers ‎– Check Out The Hook YouTube

The Project Featuring Linda Rice ‎– Out Of Control
POPな歌物+間でラップのユーロスタイル。チャラ過ぎず、絶妙です。

1992
The Fastman - The Fastman YouTube
The Fastman - Bangin' Da Box YouTube
The Force - If You Haven't Danced Yet YouTube

2 Young Brothers ‎– Comin On Strong
ロックの要素が入った、最近のマッシュアップ風にも聴こえるヒップハウス。

1993
White Knight & Fast Eddie ‎– Girls Get Dum! YouTube

The Real Vibe Featuring Dr. X ‎– Ed Can Rave!
カラーの違うデステクノ調。迷走してますね…。

Sissy Penis Factory (ドイツ)

C+C Music Factoryがヒットすると、やっぱり出てくるのが替え歌です。
今回は、下ネタでリメイクした英雄を見てみましょう。


Sissy Penis Factory ‎– Everybody Fuck Now (1991)
「みんな~やってるか!」から始まる下ネタラップ。
なぜかディスコ物のオランダ盤でおなじみ、名門Rams Hornから発売。

"Here is the doe, back with the bass(さあ来いよ、ベースに乗って)"
            ↓
"Stop the moan, kid's in place(あえぎ声を止めて、子供がいるんだ)"
出だしからおかしな方向へ向かっています。この曲はゲイのディスコで大ウケ。

この曲を作ったSissy Penis Factoryはドイツのレコーディングスタジオ
G+Gスタジオのエンジニアによるお遊びユニット。
この人たちはいろいろな名義で下ネタRemixを提供し続けています。


Sissy Penis Factory - Super Whole (You Better Fuck) (1993)
Rupaul ‎– Supermodelを汚い声でカバーしたサードシングル。
この曲のためだけにSissy Girl Recordsというレーベルを作り
エンジニアはBig Dick、カタログ番号をCUM-1993にする徹底ぷり。


Long Fellow - This Is Penis (1989)
アシッドハウスの名曲、MAURICE - This Is Acidをカバー。
曲名からド直球です。これはハウス版「やっぱ!アホーガンよ」だ!



複数の名義で発表された下ネタカバーは1994年にアルバムでリリースされ
近年ではデジタルリマスターされたデータ販売もされました。
日本のamazonでも販売されてるし、根強い人気ですね(どこで…)。

POPなヒップハウス

ブログを書くのに、有名な曲の紹介をやってないことに気づきました。
当時ふつうに街中でかかってたであろう曲を紹介します。


Deee-Lite - Groove Is in the Heart (1990)
テイトーワさんのユニット。デビュー曲にしてビルボードクラブ部門1位
ゴールドディスクという偉業を成し遂げました。
Herbie HancockのベースVernon Burchのブレイクをあわせ、
A Tribe Called QuestのQ-Tipがラップして帳尻があうすごさ。


MC Hammer - Pray (Slam The Hammer Mix) (1990)
世界で累計1,000万枚を売り上げたセカンドアルバムからのシングルカット。
四つ打ちのヒップハウスリミックスが入って、ビルボード2位を記録しました。
ダンスもルックスも服装も、かっこいいですねー


C+C Music Factory - Gonna Make You Sweat (1990)
ダンス甲子園と言えばこの曲。ミニコンポのCMでも使われてましたね。
この曲もビルボード3位を記録する大ヒットです。
C+Cのマークってタモリさんの安産祈願マークっぽいですね。


East 17 - House of Love (1992)
パラパラシーンの皆様、お待たせしました。
90年代、大学の入学式帰りに待ち受けるサークルの勧誘。
その中に混ざっている「ダンパ来てよ~楽しいよ~」という兄さんに
誘われるまま日曜のダンパに行くとたいていこの曲がかかっています。

私も友人の誘いで2回ほど行ったことがあり、せっかくなので振り付けを紹介。
Everybody(人の頭をなでるときのように円を描く)
House(忘れた)
One(人差し指を立てる)
Love(両手でハートマークを作る)
これを都会へ来たての女の子が無表情で練習してました。


楽しいよ~


Westbam (ドイツ)

92年の「メイデイ・アンセム」以降がいい。(中略)もはやリズムがブラックの
系譜ではない。ほとんどマーチのリズム。後のロッテルダムにも通じるリズム。
びっくりしたもん。「これが果たしてハウスと呼べるのか?」って。

(石野卓球氏 テクノボンより)


WESTBAM(1965~)はドイツのテクノDJ。
石野卓球氏との競作やWIREへの出演で日本でも有名ですね。
今回は、テクノ以前の曲とヒップハウスへのかかわりを見てみましょう。


1982年、毛がふさふさな17歳の頃。ノイエ・ドイチェ・ヴェレ
(ドイツのニューウェーブ)のバンドでキーボードとドラムを担当。


1987年 22歳。まだふさふさなので髪をピンクに染めました。
このころはスクラッチテクを磨き、DMC大会に出場。
クラフトワークでスクラッチしています。

この年、自らのレーベルLow Spiritより、自分がmixしなおした
2 Live Crew"We Want Some Pussy"のドイツ盤をリリース。
彼の人生の中で最大のヒットになり、200万枚を売り上げました。

そして彼は、ドイツに住んでいるアメリカ人のDJと知り合います。
DeskeeというそのDJはレコード屋が新しく作るレーベルに
曲を求められ、Westbamの編曲によりレコードをリリースします。

Deskee - Let There Be House (1989)
今日まで、数多くのシカゴハウスでサンプリングされ続けている
Rhythm Controll"My House" の一節からとったヒップハウス。
日本を含め世界中でヒットし、USクラブチャートでは1位になりました。


1989年、2 live crewのヒップハウスバージョンをリリース。
同年、ベルリンの壁が崩壊。
Dr.Motteによるテクノの野外フェス「Love Parade」がスタート。


I Can't Stop (1991)
新しい物好きな彼はブレイクビーツテクノに興味を持ち、
808stateスタイルのヒップハウスをリリースしました。
冒頭の映像はLove Paradeと思われます。3年目でもう結構な規模ですね。


LoveParadeは野外でサウンドシステムを乗せたトレーラーが走るお祭り
だったので、彼は屋内の大規模フェス"MAYDAY"をスタートさせます。
第1回は1991年12月14日、ソ連が崩壊する11日前でした。

この後、冒頭の「メイデイ・アンセム」をリリース、
今日まで続くテクノのスターになるのでした。
ヒップハウスの世界へようこそ
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