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Love Can't Turn Around

1.Steve "Silk" Hurley

1984年
Steve Hurley(左・ピンク)はFarley Keith(右)とルームメイトでした。
当時クラブでヒットしたJamie Principleに影響を受け曲作りを開始。
既にシカゴのラジオ局WBMX、WGCIでプレイしていた彼は
Isaac Hayesの "I Can't Turn Around" をリメイクし、
テープに録音してミックスショーに取り入れました。


I Can't Turn Around (リリースは1986)

1985年 いよいよ次はオリジナルです。
"Music is the Key"と題したリズムトラックだけの曲を持って
先輩DJのJesse Saundersにアドバイスをもらうことにしました。


Jesse Saunders
「なかなかいい感じ。でも、大きく売れたいなら歌詞を書いて
 ボーカルを入れたらいいんじゃないかな。いいのができたら
 うちのJes Sayレーベルから出すし、また聞かせてよ。」


Music Is The Key (1985)
言われたとおり歌入りに改良し、Farleyと一緒にミックスして完成。
しかし、彼はリリースをJes Sayではなく、Rocky Jonesという男が
新しく始めたレーベル、D.J.Internationalに持って行きます。

2.Farley "Jackmaster" Funk
はじめて自分の曲を出すことになったSteveは、この機会に
名前をSteve "Jackmaster" Silkにしようと思いつきました。
これはいい考えだと、ルームメイトのFarleyにも相談します。ところが…

Farley Keith
「おい何を言ってるんだ?俺が最近かけてるダブプレートで
 Jack!Jack!って言ってるじゃねえか。俺こそがJackmasterだ!」



Jack The Bass (1985)

頭にきたFarley KeithはSteveに発表させてなるものかと
いち早くラジオ局を訪れ、生放送のマイクに向かいます。

「ハロー!Farley "Funkin" Keithはたった今死にました。
 新しくFarley "Jackmaster" Funkとして生まれ変わりまーす!」


ラジオを聞いていたSteveは、がっくりと肩を落としました。
Jackmasterはもう使えず、J.M.Silkという略称で妥協するしかありません。

3.Jesse Saunders
Farley "Jackmaster" FunkはJesse Saundersの元を訪れました。

Farley "Jackmaster" Funk
「SteveのやつがI Can't Turn Aroundのハウス版作ってるけど
 いつまでもリリースしないんで、俺らで発売しちゃいませんか?
 このあたりでかっこよく曲作りできるのはアンタしかいないなーなんて」

おだてられてその気になったJesseは、Steveが自分のレーベルでなく
D.J.Internationalから発売したこともあり、承諾することにしました。

Jesseはさっそく、いつものメンバーを招集します。
Vince Lawrenceは歌詞を書き、Duane Bufordはピアノソロを。
Farleyはドラムトラックを作成。Jesseはバンドのメンバー
Jurhonda Pattonと一緒にバックコーラスを担当しました。

あとは、ソウルフルな男性ボーカルが必要でした。
知り合いに片っぱしから呼びかけたものの、一人を除いて
誰もやってくれそうにはありません。

4.Darryl Pandy

その一人、Darryl Pandyは教会のシンガー。
彼はだれかれ構わず付きまとい、無視しててもグイグイくる
タイプだったのでみんな一緒にやりたくなかったのでした。

5オクターブの声域を持つ彼。試しに狭いレンジで男らしく
歌ってもらうようリクエストしたところ、これがバッチリハマりました。
1986年8月、Love Can't Turn Aroundはついに完成。
Farleyのレーベル、House Recordsからリリースされました。

5.I'm the fucking Jackmaster
発売から1ヶ月。JesseはFarleyとRocky Jonesに呼びだされました。
かなり売れたから、取り分をチェックして欲しいという。
それぞれ1万ドル、Jesseは何か怪しいと感じつつも受け取りました。

それからしばらくして、彼はUKツアーに出かけます。
ロンドンのヴァージンメガストアでDJしていると、後ろで
Vinceが何やら騒いでいる。それだけじゃない、何か聞き覚えのある声だ。


振り返って彼が見たのは、UKの人気番組Top Of The Popsで
気持ちよく歌っているDarryl Pandyでした。
Rocky JonesはJesseに内緒でビデオを作り、Farley単独の曲ということにして
UKに売り込みに行き、チャート2位の大成功をしていたのでした。


uk1.jpg
FarleyとRockyは用意周到にUK BBCのDJとJesseの
古いマネージャーを取り込み、Jesseの名義を消そうとしていました。

Jesse Saunders
「そりゃあ、俺だって悪いことはやってきた。Vinceがレギュラーイベントを
 していたクラブに一日残らず予約入れて排除してみたり、この曲だって
 Steveの曲をパクってリリースしたよ。でも、Farleyは友達だったのに…」


uk2.jpg
彼は落ち込みましたがこれは因果応報と受けとめ、
その後レコード会社に交渉し無事名義を取り戻しました。

6.Jack Your Body
Steve "Silk" Hurley
「Farleyが出したバージョン?ルームメイトなんだから
 俺の4トラックMTRから曲を拝借したんだろうよ。
 あんなの、ほんのちょっとアレンジしただけじゃないか。」


Steve "Silk" Hurley ‎– Jack Your Body (1986)
復讐に燃える彼は、渾身のジャックハウスをリリースしました。
First Choice - Let No Man Put AsunderからベースラインをJackし
かつてのFarleyを彷彿させるJackというボイスサンプリング。

UKのLondon Recordsからリリースされた、Farleyを中心に
編集されたコンピ「The House Sound Of Chicago」のトップに
収録されたこの曲は、プロモーションを拒否したにも関わらず
なんとUKでNo.1ヒットをとってしまうのでした。


House Music: The Real StoryHouse Music: The Real Story
(2007/11/30)
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